Saturday, April 16, 2016

「原子力政策研究会 100時間の極秘音源」

知らなかったですね。こういう経緯で日本で原子力が始まったとは。無知とは愚かなり。「原子力ムラ」の方々の証言をまとめた本。

日本の原子力導入で、立役者は当時議員だった読売新聞の正力松太郎、それと中曽根康弘。1950年代です。この偉い人たちのリーダーシップが強烈すぎたようだ。しかもあまり専門家の言うことは聞かなかったらしい。まあ、周りの人としては、偉い人のせいにしておけば良いというバイアスがあるのかもしれない。とにかく60年前に始まることなので、当時の責任者はもうこの世にいない。

1950年代の「科学技術」というのはまさに死活問題で、それで中曽根さんは科学技術の推進の為に原子力を推したということだ。現在の人工知能などの科学技術とはちょっとレベルが違うかなと思う。また、こんなにできるかどうか判然としない技術を確立するのは大変だったろうと思う。逆に昔だったからできたことなのかもしれない。

原子力発電所の建設の説明の時にはもちろん安全を謳う必要があった。ある程度商業ベースに乗ってきてからはコスト重視で稼働率を上げることが命題となり、やはり安全性は二の次だった。いやな感じなのは、安全に対する「懸念」が公表しにくいという点。「まだそんなことができてないのか」という批判を恐れて言えないことがあるという話。「原子力ムラ」って、原子力推進に批判的なことを言うと、村八分になる場所らしい。村八分、つまり次の仕事は来なくなる。

活断層と地震に関係があるということが定説となったのは、比較的最近のことなので、多くの原発は断層とは関係なく建っている。(本当だろうかと思って調べたら、どうやら本当で、活断層が注目されるようになったのは阪神淡路震災からで、「活断層学会」ができたのは21世紀のことらしい)

資源の無い国、日本。資源を東南アジアに求めて太平洋戦争を起こした。その反省。核武装を続けるためには、核の平和利用が同時に必要だったアメリカ。

廃棄物であるプルトニウムを燃料として使う核燃料サイクルが究極の夢だったが、これは破綻していて、ゴミはたまる一方となっている。総合的に見ると今まではなんとかやってきたけれど、今後のエネルギー問題は、別の方向で考えた方が良いのではないかと思う。




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